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煎茶の可能性

鹿児島茶をアメリカに輸出するために活動している鹿児島県茶業会議所。
輸出拡大のために英語サイトの作成をというお話しがあり、打ち合わせを重ねていくうちに、僕自身も鹿児島茶輸出の可能性を知りたいと、オーストラリア・シドニーの緑茶市場を体験してきました。

 

見学先は、抹茶カフェやお茶の小売店、ティースタンドやスーパーなど。
シドニーでも日本食同様、抹茶はブーム。
しかし、煎茶の市場の方はまだまだという状況です。


ただ抹茶の市場も、日常に利用するものではなく、店舗で味わう限定的なものなので、煎茶は抹茶とは違う日常茶としてのアプローチができないかなと思います。

 

以下がシドニー緑茶市場体験記です。

 

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抹茶カフェ『Cre Asion』

抹茶で人気のお店と聞いて訪ねてみました。
途切れないお客さん、センスのいい店舗。
頼んだ抹茶ラテやほうじ茶ラテ、抹茶スイーツの美味しいこと!
驚きました。
どんな方がオーナーなのか聞いてみると、なんと日本人!
シドニーのお茶事情について、少しお話しをお聞きしました。

島根県松江出身のSASAKI YUさんは、5年前に抹茶カフェ『Cre Asion』をオープン。
元は料理人で、シドニーではレストランよりも始めやすいスイーツカフェを選んだそうです。抹茶に関しては、アメリカからのヘルシーブームを受けてシドニーでもブームだということです。煎茶に関しては、その旨みがまだまだ欧米人には理解しがたいかもしれない、ただ、自分も静岡のお茶屋さんから依頼を受けて、商品開発を進めている。
たとえば、煎茶+ゆずなどのフレーバーティーなど。
鹿児島茶のことも教えてください、いろいろな情報をオープンにしてオーストラリアに煎茶市場を創りましょう、協力しますと嬉しい話しでした。

SAKAKIさんは、店作りも味も商品デザインもとてもセンスある方で、考え方もオープンでした。お茶も、このようなアプローチならブランドになるんだと教えられました。

http://www.creasion.com.au

 

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お茶専門店『T2』

シドニーを歩いているだけで3店舗の『T2』を目にしました。
とてもカラフルでポップなお店です。
お茶の種類が豊富なだけでなく、いろいろなグッズも扱っていて
若い女性スタッフはが、そのグッズのデモをしてくれます。
「へぇー」というものが多く、お茶の情報発信基地のようです。

http://www.t2tea.com

 

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抹茶カフェ『Chanoma Cafe』

『Chanoma Cafe』は、シドニーでセルフ式ラーメンハウス『てんこもり』という大ヒット店を展開する日本食のアイズグループが、抹茶を主にした和カフェというコンセプトでオープンしたお店だそうです。
抹茶フロートや抹茶フラッペがメニューの主軸にあり、ここも若い人たちに人気のお店でした。メニューの中に煎茶を発見。オーダーしてみると『T2』の煎茶ティーバッグででてきました。

http://www.chanoma.com.au   

 

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台湾ティー専門店『GONG CHA』

台湾茶をベースにしたオーダードリンクメニューで人気の『ゴンチャ』
日本でも展開していて、全世界で800店舗を展開しているそうです。
頼んだ煎茶は、シロップも入っているので、日本の煎茶とは別物でした。

http://www.gongcha.co.jp

 

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アジア茶『CHATIME』

アジアのお茶と果物を主材料としたフレッシュドリンクを提供する『CHATIME』も、台湾発のドリンクショップです。カフェのように気軽にアジア茶をベースにしたコールドドリンクがオーダーできます。

http://chatime.com.au

 

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日本食カフェ『YAMA』

煎茶を出す和食屋さんがあるということで訪問しました。
シドニーの中心のクイーン・ビクトリア・ビルディングの中にあります。
メニューにはちゃんと煎茶が。
鉄製の急須で提供されました。
オーストラリアに来て、初めてのちゃんとした煎茶提供でした。

 

 

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緑茶販売『TAKA TEA』

唯一見つけた緑茶の小売店『TAKA TEA』。
店内には日本茶が多く陳列してあり、売れているのかな?と心配に・・・。
思い切ってインタビューしてみました。

経営されているのは香港の方。
開業してから10年ぐらい。日本茶、中国茶、紅茶を扱っていて、売上もそれぞれ三分の一ぐらいだそうです。意外に日本茶が売れていて驚き。
日本茶は年に1回、京都や静岡に仕入れに行かれているそうです。
鹿児島茶のことを話したら、ぜひ行きたい、情報をくださいとのことでした。
やはり日本茶の情報が少ないそうです。
最後に、中国人に対して冷たい煎茶に可能性があるか聞いてみました。
中国人は温かいものしか飲まないから厳しいということでした。
ただ、『GONG CHA』や『CHATIME』に多くの中国系の若い人たちが並んでいるのを見ると、変わってきているのではないかなと僕は思っています。

http://www.takateagarden.com.au

 

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スーパーマーケットで売られている煎茶たち

オーストラリアの代表的なスーパーマーケットを何店舗もまわって、煎茶を探してみました。そのパッケージの写真です。紅茶や他のアジア茶の中に埋もれていて、煎茶は苦戦しています。この中でいくら素材の良さをアピールしても届かないと思いました。

鹿児島茶輸出の戦略は、素材訴求ではなく、煎茶という飲みものが、いかに生活スタイルに価値をもたらすかというイノベーションを持ったアピールをしないと、時間がかかってしょうがないと思います。

 

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今回の視察中は、100円ショップ買ったボトルに、煎茶と水を加え、冷蔵庫で冷やした自家製『REICHA』を作って飲んでいました。やはり身体に合ってますね。

 

 

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